採用マーケティングの具体的な手法やフレームワークとは

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採用マーケティングとは、マーケティングの概念や手法を、採用活動に取り入れることを指します。
一般的なマーケティングがサービスや商品が対象なのに対し、採用マーケティングでは企業が理想とする人材がターゲットになります。
マーケティングにおける思考・戦略が採用活動にも有効だと考えられており、近年では数多くの企業で採用マーケティングが用いられてきました。

そこで今回の記事では、採用マーケティングの具体的な手法やフレームワークについてご紹介します。

採用マーケティングの流れ

ここからは、採用マーケティングの全体的な流れをご紹介します。

まず最初に、自社の特徴を分析しましょう。
採用マーケティングにおいては、自社の経営理念などを再度確認し、魅力を把握することから始めるのが重要です。

そして次に採用ターゲットを選定し、自社で求めている人材像を明確に設定した上で、アプローチの対象者を絞り込みます。

ターゲットが絞り込めたら、次にそのターゲットに最適なアプローチの方法を検討します。
対象者やフェーズによっても最適な方法は異なるため、ここでどのような方法を選択するのかは非常に重要です。

ここまで用意ができたら、ついに採用施策の実施に進みます。
採用活動中に成果が思うように得られない場合には、PDCAを回しながら、採用マーケティングを継続していきましょう。

採用に活かせるフレームワーク6つ

効率的に採用マーケティングを導入するためにも、フレームワークを活用することが大切です。

ここでは、実際の採用で活かせるフレームワークを6つご紹介します。

ペルソナ分析

ペルソナ分析とは、求めている人材像を明確・詳細に定義する分析方法です。

ペルソナという言葉自体はマーケティングの分野で多方面から活用されており、商品やサービスを開発することにおいて設定される具体的なユーザー像のことでもあります。
採用におけるペルソナも同様で、年齢・性別・経験・スキル・人柄・価値観・行動特性などを詳細に設定することがポイントとなっています。

ペルソナを1つに絞り込めない場合には、複数のペルソナを作成することも可能です。
しかし、複数作成する場合でも、個々のペルソナは具体的に設定しておく必要があります。

カスタマージャーニー

カスタマージャーニーは、求職者がどのような順序で採用に至るのかを明確にしたものです。

設定した理想の人材を見つけ出すには、応募者の認知から内定の承諾までの具体的な順序を把握する必要があります。
情報収集・検討・選定という各段階において、どのポイントで人材との接点を設けるのか、適切なメッセージの内容は何かなどを明確にすることが重要です。
一度カスタマージャーニーを設計した後には、PDCAサイクルを回しながら検証・検討をすることが成功への近道です。

3C分析

3C分析とは、市場・顧客を表すCustomer、競合を表すCompetitor、自社を表すCompanyの頭文字を取った言葉で、この3つの要素を分析することで、企画を成功に導くマーケティングフレームワークです。

この3Cを採用のフレームワークに落とし込むと、Customerは設定したペルソナ、Competitorは競合他社、Companyは自社の魅力や強み・弱みということになります。

3CのスタートはまずCustomerを設定することです。
そこからCustomer目線でCompetitorはどの企業で、Companyの魅力・強み・弱みは何なのかを分析していくことが重要です。

自社の環境を客観的に考えておくことで、他社との違いや自社の魅力などに気が付くことができるでしょう。

4C分析

4C分析とは、マーケティング業界においてサービスなどを顧客目線で分析する方法で、顧客にとっての価値を表すCustomer Value、顧客がかけるコストを表すCustomer Cost、顧客にとっての利便性を表すConvenience、顧客とのコミュニケーションを表すCommunicationの頭文字を取った言葉です。

この4Cも採用マーケティングに落とし込むことが可能で、採用プロセスなどを考えていくために有効的なフレームワークです。
例えば、Customer Valueは自社に入社することで得られるメリット、Customer Costは自社に入社した場合のリスク、Convenienceは自社への応募・日程調整・連絡の取りやすさ、Communicationはコミュニケーションが取りやすいか、などに置き換えることができます。

4つの要素から、応募者に選ばれる会社となるために必要な魅力などを明確にすることも可能です。

SWOT分析

SWOT分析とは、強みを表すStrength、弱みを表すWeakness、機会を表すOpportunity、脅威を表すThreatという4つの要素から、自社分析を中心に行うフレームワークです。

採用マーケティングにおいては、Strengthは自社の強み、Weaknessは自社の弱み、Opportunityは市場変化における機会、Threatは市場変化における脅威、と置き換えられます。
このフレームワークによって、内部環境要因と外部環境要因を導き出すことができると言われています。

内部と外部の両方から分析を進めることで、自社が戦っていく方向性、逆に戦ってはいけない方向性などが見えてくるのです。

5A理論

5A理論とは、フィリップ・コトラーが提唱している顧客の購買プロセスを分析するフレームワークです。

意志を決定するまでのプロセスを、認識・知ることを表すAware、記憶や印象に残ることを表すAppea、調べることを表すAsk、購入を表すAct、周りに勧めることを表すAdvocate、の5つで分析しています。
これを採用マーケティングにも活用し、求職者が意思決定をするまでの順序を分析することで、採用手法を考えます。

まとめ

今回の記事では、採用マーケティングについてご紹介しましたが、参考になりましたでしょうか?

一見難しいように感じるかもしれませんが、適切に採用活動に取り込むことができれば、効率良く優秀な人材を獲得することができます。
ぜひ今回ご紹介したフレームワークなどを参考にしながら、効率的に採用活動を進めてみてください。